十三夜(じゅうさんや)の由来

『十三夜』店主 林 むつみ

1988年、私の母が新潟市秋葉区(旧新津市)で『エハラ珈琲店』を開店しました。2000年に店舗を改装し、その時『十三夜』と改名いたしました。
店の経営は、母から私たちに引き継がれ、珈琲豆の焙煎は長女のむつみが担当、お菓子は三女のまりが担当しています。

お客様に提供するものは「自分の手になるもので」というの考えのもと、すべて新鮮で手づくりのものを提供しております。

「十三夜」という名前の由来をよく尋ねられます。
改名するとき、西欧菓子にちなんで、フランス語の名前も考えたのですが、ふと母が「十三夜は、どう?」と。
閉店後、入り口のシャッターを閉めるときに、夜空の月を眺めるのを日課にしていた母は、漠然と月にちなんだ名前がいいかなと思っていたようです。

改名当初、ご高齢のお客様が、「カタカナ語でなく、読みやすい名前だから安心して入られたわ」と言ってくださいました。その時「この名前にしてよかった」と実感しました。何より、完璧(満月)じゃないところが私たちらしくて気に入っています。

珈琲もお菓子も、生活にどうしても必要というものではありません。少し生活を楽しくするものです。
私共の仕事は、お客様に少し楽しんで頂いて、その楽しさを分けて頂ける仕事だと、日々感じています。

 


十三夜の珈琲の話

林 むつみ(焙煎担当)

私の相棒(焙煎機)は、「富士釜」のガス直火3キロ釜です。古い機種になってしましました。温度計はアナログ、冷却は手動。あちこちガタがきていますが、つくりが単純な分、丈夫で長持ちしています。
二ヶ月に1度のメンテナンスは欠かせませんが、今日も元気に働いてくれています。

私は、自由であること、ふつうであること、楽しいこと、この3つを大切に暮らしています。ですから、自由に(自分の目指す味に)焙煎し、ふつうの珈琲を味わい、楽しい時間をすごせればいいなと思っています。

私にとっての普通の珈琲とは
珈琲の生豆を丁寧に選別(ハンドピック)します。
酸味を抑えるため、中煎り以上の焙煎度合にします。
鮮度を重視しているため、500gからの少量焙煎をしています

どうぞ、私の普通を一度試してみてください。